「ワシにはもう、お前に教えることは何もない。おのれの信じる道を進むがよい!」
宿敵・魔王を倒すため、いま、まさに旅立とうとする若き勇者。
彼に向かって、励ましの言葉をかける神様のような老師。
その風貌には威厳があり、手には「魔法の杖」を持っています。
こういう人物って、ドラマや映画の中に、時々いますよね。
僕は、そういう人物が大好きなのです。
ひとめで分かる「老賢者」に限りません。
あるときは隊長。
あるときは兄貴分。
天才科学者や、宇宙船の船長だったりもします。
女神様や幼馴染かもしれません。
主人公を温かく見守り、修行を積ませ、必要な時に適切なアドバイスをくれる人。
架空の存在ではあるけれど、味わいのある言葉を僕らにプレゼントしてくれる人たちです。
そういう人を、僕は「架空賢者」と呼ぶことにしました。
このエッセイは、マンガやアニメ、特撮などに登場する架空の賢人たちの「名言」をとりあげ、「そこから学べること」を見出そうとするものです。
映像作品を見ている時、僕らは主人公と一体化します。
主人公が悩むときは悩み、うれしいことがあったら喜び、敵との戦いにハラハラ、ドキドキします。
そして、主人公が大切なことを学ぶときには、僕たちも、いっしょになって学んでいるのです。
そこには、架空であって架空でない、「真実への導き」が隠されているのかもしれません。
この「架空賢者の名言」が、あなたの人生を好転させる“心のビタミン”となれば幸いです。