tadashi133’s diary

実用エッセイや、趣味のエッセイを連載。

作家になりたい人へ プロデビューのための「おススメ本」14選 【その14】もの書きのための名著

収入が少いなら少いなりに、自分の周囲を、身銭を切った本で徐々に取り囲むように心がけてゆくことは、知的生活者の第一歩である。

渡部昇一『知的生活の方法』講談社現代新書

 

 一生の間、本を読んだり、文章を書いたりしていたいと思う人がいたら、ぜひ読んでいただきたいのが本書『知的生活の方法』です。1970年代に書かれた本ですが、何十年経っても、いまだに読まれ続けている名著。

 

◇「あなたは繰り返し読む本を何冊ぐらい持っているだろうか。」

 繰り返し読める本は自分にとっての「古典」になる。時間の間隔を置いて20年も繰り返し読める本や作者に巡り合ったら、相当に大きな人生の幸福だと、渡部先生は述べています。

 

◇「本の場合は、一読して印をつけたものは、いつになっても使いやすい情報源として自分のそばにある。」

 本を読んで感心したところに赤線を引くなど、印をつけておけば、ふとその本を読み返したくなったとき、印のついたところをさっと拾ってゆくだけで、本の内容がだいたい全部わかります。印をつけた本は、自分が征服した本なのです。

 

◇「小さな静かな部屋とカードがあれば、ひとかどの仕事ができることを、私はドイツ

 留学時代に指導教授シュナイダー先生に教えていただいた。」

 気になっているテーマについて、本や雑誌などを読んでいて、「これは」と思う内容に出くわしたら、出典を書き添えてカードにとり、卓上に置けるカードボックスに投げ込んでおく。継続的にこれをやっていくと、まとまったデータが集まってくる。これを並べ替えれば、本が書ける。そういうことが書かれています。これは、誰でも比較的簡単に本が書ける方法です。

 

 このほかにも、「書斎の整え方」「散歩の効用」「通勤時間の利用法」「結婚生活」についての具体的助言に満ちています。何度読んでも新しい発見があり、この本は一生手放せないだろうなと思っています。

 ちなみに、頭を使う人間の飲み物としては「ワインがいちばん理想的」なのだとか。

 

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 以上で、『作家になりたい人へ プロデビューのための「おススメ本」14選』の連載を終わります。貴重な人生のなかの時間を割いて、このブログをお読みくださった皆様、本当にありがとうございました。

 皆様の文筆生活のご成功をお祈りしています!

 次回から、新連載『架空賢者の名言 スーパーヒーローを育てた“心のビタミン”』を開始します。

 それではまた。