tadashi133’s diary

実用エッセイや、趣味のエッセイを連載。

架空賢者の名言 スーパーヒーローを育てた“心のビタミン”  【その28】

「様々なタイプの敵と戦わなければならない念での戦闘…そこで最も大切な戦闘技術とは“思考の瞬発力”!!」

(ビスケ 『HUNTER×HUNTER』に登場)

 

 冨樫義博先生の『HUNTER×HUNTER 15巻』(ジャンプ・コミックス)では、主人公のゴンと友達のキルアが、ビスケという先生に「念」(一種の超能力)の指導を受ける場面があります。

 ビスケは外見は10代の少女ですが、プロハンターで、実年齢は57歳という不思議な人物です。

 岩石地帯からマサドラという都市まで行くのに、2人に道を歩くのではなく、スコップで岩山をまっすぐ掘り進みながら行くように指示します。これは全身の筋力や持久力などを身に着けさせるとともに、「念」の操り方、たとえばスコップに「念」を込めることで掘る作業をスピードアップできることなどを体得させる修行なのです。

 ゴンとキルアが確実に強くなっていく様子を見ていると、応援したくなります。

 

 ビスケが重視するのは「思考の瞬発力」。

 

 敵との戦いの最中に、「いかに対処するか」をすばやく幾通りも考え取捨選択し、適切な対処法を実行に移す。

 そのためには、「まずは考えることに慣れ それを限りなく反射へと近づける訓練」が大事だとビスケは考えています。

 

 『鬼滅の刃』の炭治郎なども、強敵との戦闘中に「考えろ、考えろ」と自分に言い聞かせ、起死回生の対策をひねり出していますね。

 

 ただ、現実に僕らが暴漢に襲われ、戦わなければならないような状況というのは、ふつうはない。だから、ビスケの指摘は「バトル漫画のなかだけのことだ」と感じがちですが、でも、ビジネスや日常生活のなかで僕らに判断や対処を迫ってくる問題や課題を「敵」と位置付けてみると、話が変わってくるでしょう。

 

 たとえば、何かの会合で、予想もしていなかったのに急に発言を求められることがあります。そこで、絶句したり、しどろもどろになったりすることがある。でも「もし何か言うとしたら、どう言おうか」とあらかじめ考えておけば、急にあてられても、あわてずに済むかもしれません。

 

 Aさんという同じ人物であっても、「毎日の日常生活のとりとめもないことに漠然と反応しているだけのAさん」と、「一定の物事について考え続けるという習慣を努力して築こうとするAさん」とでは、結果は違ってくるでしょう。

 

 「週に何回か、ブログ記事を書こう」と思って生きているだけでも、考えることに慣れてきます。書く内容を思いつきやすくなる。「読んでよかった」と読者の方に思っていただけるような記事を生み出すことができたら、すごくうれしいことですね。

 

 常に変化する社会の中で、よりよく生きるには、考えることに慣れ、考え続けるという作業が必要なのだと思います。