「その人を知りたければ その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」
(ミトおばさん 『HUNTER×HUNTER』に登場)
魔獣が跳梁する世界。主人公、ゴン・フリークスは、まだ見ぬ父親の後を追うように
「ハンター」となり、戦いを通して成長していきます。
ジャンプコミックス『HUNTER×HUNTER』第1巻に登場する「ミトおばさん」とは、ゴンの育ての母なんですが、ゴンはミトおばさんを尊敬しています。
僕もこの漫画を読んで、ミトおばさんが教えてくれた「その人を知りたければ その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」という言葉が好きになりました。
「あなたの本棚を見れば、あなたがどんな人間か分かる」と言われますが、それはかなり当たっているだろうと思います。人間は読んだ本に影響を受けるからです。
でも、「怒り」によって人間が分かるという発想はなかったので、新鮮でした。
人はいろんなことで怒ります。
誰かに馬鹿にされたと感じたとき、激しく怒り、深く恨み、復讐の機会を狙い続ける人がいます。「やられたらやり返す。同じことをちゃんとやる」というわけです。
でも、そういう人を見ていて、「りっぱな人だなあ」とは思えません。
気持ちは分からなくもないけれど、何か、同調できない感じがします。
「馬鹿にされた悔しさをバネにして、自分の向上につなげる。奮起して何かの努力を始める」という人もいます。
こういう人は、「頑張れ!」と応援したくなりますね。
ある実力派の俳優さんは「自分のことでは怒らない」をモットーにしているとか。
こういう人は「りっぱだなあ」と思います。
自分以外の誰かが、たとえば理不尽なパワハラのようなことをされて苦しんでいたら、その人のために怒り、立ち上がる。
これは「正義の怒り」だと思います。
そういう人は、自分が誰かに馬鹿にされたり、ひどいことを言われたりしても、平然と受け流しています。そんなことで自分の本当の価値は揺らがないということを知っているからでしょう。
僕も、イラっときたら、「怒りのレベルで、人間のレベルは決まるんだ」と思うことにしました。