家にいるときは、毎日、机の前に座って何か書いています。それは、毎日です。
これは、代表作『おはん』で知られる高名な作家・宇野千代先生が、95歳のときに書かれた本。宇野先生が『おはん』を書き上げたのは60歳のときだったそうですから、作家に年齢は関係ないことがよくわかりますね。
先生は、朝起きると、身じたくをして食事をすると、必ず、机の前に座っておられたそうです。書けても、書けなくてもです。
机の上には、いつでも「原稿用紙」と「鉛筆」と「文鎮」がありました。
作家あるいは文筆家になるためにだいじなことは、「書くこと」を習慣化し、とにかく、「書くことをやめない」ことだということが分かります。
ただ、何かを毎日やるなんて、すごくたいへんです。
それができたら誰も苦労しないでしょう。
なかなか習慣化できないことを習慣にするには、どうすればいいでしょう?
秘訣は「最初のハードルをうんと低くすることだ」と言われています。
健康のためにウィーキングがいいと分かっていても、なかなかできません。
でも「5分間だけ、家の近くをちょっと歩いてくる」ことならできそうです。それを今週中にたった1回でもできたら「成功」と考えるのです。
翌週はこの「5分間ウォーキング」を週に2回だけ実行します。
そうやって、無理なく、少しずつ頻度を増やしたら、体調がよくなっていくため、いつの間にか習慣化できるのです。
文章も同じです。
たった1行でいい。
しかも、週に1行でいい。
気づいたことを、ちょこっとメモする。
☆なつかしくて買った駄菓子のこと。
☆心に刺さったドラマのセリフ。
☆友達が口にした冗談。
こうした断片を、消えないうちに書きとめておくのです。
用意するのは、安物のノートと鉛筆(またはボールペン)だけ。
ページが少しずつ埋まっていくと楽しくて、いつのまにか、ほとんど毎日書くようになるかもしれません。そうなれば、しめたものです。
時々、ノートを読み返すと、自分が何に興味を持っているかが分かり、書きたいことを思いつくことでしょう。
「はてなブログ」では、ブログの執筆を始めてから30日以内に、3回投稿することが推奨されています。
ちょっと頑張れば、できるかもしれない頻度です。
まずは月に3回、何かを書けたらいいですね。
そこから、あなたの文筆家生活がスタートするのです。