tadashi133’s diary

実用エッセイや、趣味のエッセイを連載。

作家になりたい人へ プロデビューのための「おススメ本」14選 【その6】蓄積の偉大な効果

 満二十五歳の九月から毎日十四行三十二字詰めの文章、しかも印刷価値のある文章を一枚以上ずつ五十歳まで、必ず書くという行を始めた。

 (本多静六『自分を生かす人生』三笠書房

 

 すごく昔の本ですが、これも時代を超えた真実が学べる本だと思います。

 本多静六博士(1866~1952)は、東大教授。日本初の林学博士。日比谷公園の設計者としても知られています。博士は25歳のときに、これから25年間、最低でも32字×14行、つまり448文字(現在の原稿用紙1枚分ぐらい)の文章を毎日書き続けるという課題を自分に課したというのです。

 いま、僕の手元にある現代のビジネス書を見ても、数えてみると1ページがざっと450文字ぐらいだったりするので、これは、「毎日1ページだけ本を書く」ということでしょう。

 20代の若者がそういうことを決めること自体が非凡だと思いますが、これを博士は忠実に実行した結果、なんと370冊以上の本を書くことができたそうです。

 博士は「1日1枚以上」という条件に加えて「印刷価値のある文章」という縛りをかけていることにも注目したいですね。現代的に言えば、安易なコピペ記事を作って数だけを合わせるのではなく、「読者が読んで損をしないオリジナルの文章」を書くということになるでしょうか。

 ブロガーなら400字ぐらいは書ける人が多いです。

 ただ、「あなたの文章に印刷価値があるか」「ちゃんと付加価値を生んでいるか」と言われたら、僕は自信がありません。

 でも、そうなるように努力することはできます。

 僕たちブロガーの大半は、大学の先生でもなければ博士でもありませんが、本多博士がやったことを真似することは可能です。すくなくとも、何日間かは真似られると思います。

 けれども僕のような凡人は、物事を途中でやめてしまう。ここが本多先生のような偉人との違いでしょう。

 でも、やめなかったら、どうなるか。

 凡人とはいえ、やらなかった場合と比べると、ひじょうに大きな効果が得られるかもしれません。

 現在は、僕ら無名の人でも書いたものを「はてなブログ」などで発表できる時代です。

 やり続けると、どこで、どんな人が見てくださっているか分かりません。

 1日1ページ書けば、300日あったら、本1冊は書きあがります。

 1日1ページ書くということは、作家としての充実した人生を送っていることになるのではないでしょうか。