tadashi133’s diary

実用エッセイや、趣味のエッセイを連載。

作家になりたい人へ プロデビュー26の秘密 【その18】プロの読書量を知る

 四十冊の本をインプットしつつ新書を一気に書き上げた。

 (晴山陽一『知的生産のためのすごい!仕事術』青春出版社

 

 プロはどれぐらいの本を読んで、本を書くのでしょうか? 作家・英語教育研究家として多数の本を出している晴山先生は、「四十冊の本を読みながら二十日で本を書いた」ことがあるそうですが、デスクの前に40冊を並べると同時に、サイドには、執筆の参考になりそうな50冊を積み上げたそうです。これによって、ベストの知的空間ができたとのこと。

 このように、ほぼ100冊の関連書を資料として使うと、そのテーマに関する本が書けると言われています。

 雑誌『ダ・ヴィンチ』(2020年1月号)で、ライターの北尾トロ先生は、自分の読書量を明かしています。資料的なものを除き、仕事がらみも含めると「100冊前後だろう」とのことで、これは「ライターという職業を考えれば、ごく平均的な量」じゃないかなというのです。

 文筆業の人は、年100冊ぐらいのインプットをしているのが普通なんですね。

 多いですね。でも「絶望的なほどの神業」ではないでしょう。

 週2冊ですから、がんばれば、できそうな数字です。

 「作家になりたい」と思うほどの人なら、よほどのブラック企業に勤めているのでないかぎり、「ダラダラとテレビを見ている時間」や、「スマホでゲームをして雲散霧消している時間」を読書にあてれば、できるはずです。

 僕たちはふつう、雑多な分野の本を興味関心に従って読んでいます。それでいいのですが、本を書くとなると、「特定の分野に関する本」を意識的に読んでいくことも大事だろうと思います。

 週2冊で年100冊ですが、1週間に読む2冊のうち1冊は、絞られたテーマ、たとえばの話ですが、「勝敗」というテーマで読んでいく。戦国武将や剣豪の本、三国志の英雄についての本や第二次大戦の戦記もの、経営者の自伝やビジネス戦略の本など、とにかく「勝敗」が出てくる書物を週に1冊は読むということになりますと、2年後には「歴史に学ぶ勝利の鉄則」とか「滅亡の条件」といったテーマの本を書くだけの材料が蓄積されることになります。

 片づけ・収納・スリム生活などの100冊を読みながら、日々、その内容を実践した主婦の方は、そういう方面の本を書く資格が出てきます。

 1冊の本の中から3つぐらい、興味深いエピソードや言葉などをカードに書き抜いていけば、2年後には300枚のカードが完成します。

 そのカードを並べ替えれば、本の構成ができます。

 だいたい300枚ぐらいのカードがたまると、軽い本が1冊ぐらい書けると言われているので、やってみてはいかがでしょう。

 かかる費用は、そう大きなものではありません。

 古本屋さんには110円均一のコーナーがあります。

 名刺サイズの情報カードも、200枚で110円だったりします。

 トータルで1万円ぐらい投資すれば、きちんとした入門書のような本が書けてしまうんですね。