主婦で副業ライターをしている方もたくさんいますし、それで給与以外の報酬として月数万円の収入を得ています。シニアでも取り組みやすく、60歳を超えてはじめた人もいます。
(藤木俊明『「書く仕事」のはじめ方・稼ぎ方・続け方』同文舘)
「書く仕事」は有望な副業。著者は30年間、「書く仕事」で生計を立てています。
現在はネットのおかげで、作品の受注から納品までがネット上で完結できるため、ノートパソコンさえあれば、書く仕事は基本的に在宅でできてしまいます。
パソコン一つで、月に数万円稼げたら嬉しいですね。
フリーランスライターの中には、年収1000万円の人もいるそうです。
開業するのに技術も資金も不要。
その後の努力と工夫で年収を増やしていけるのがライター業です。
では、「誰でも簡単に」できるのか?
残念ながら、そうではありません。
「書く仕事」に向いている人と、向いていない人がいます。
著者が言う「書く仕事に向いている人」を3つあげてみます。
【1】自己管理ができ、締め切りを守る人
【2】精神的に安定している人
【3】得意分野がある人
まず【1】ですが、原稿には必ず締め切りがあるので、守らなければいけませんね。要求される品質を満たした原稿を、編集者の想定している期日よりも少し前倒しに納品できるライターさんは、重宝がられ、仕事の依頼が途切れません。
次に【2】ですが、編集者の指示や助言に感情的に反発しがちな方は、「商品としての文章を書くこと」には向いていないでしょう。鉄道会社の仕事では、文章の中に「脱線」とか「事故」とかいうワードがNGというところもあるそうで「話が脱線しましたが…」という比喩もダメだったケースがあるそうです。そういうとき、芸術家タイプの方は「絶対に自分の考えを押し通す」というふうになるかもしれません。僕も「脱線という言葉が出るぐらいいいじゃないか、そこまで神経質にならなくていいのに」とは思います。ただ、そこを柔軟に「話がそれましたが…」と書き直せる人の方が、ライターには向いているでしょう。
最後の【3】ですが、これについては当ブログ「作家になりたい人へ プロデビュー26の秘密【その8】」で述べましたので、未読の方は、ぜひご覧いただければと思います。要するに単なる「ライター」ではなく「〇〇ライター」になるということです。「フードライター」とか「トラベルライター」など専門化をはかると、仕事を頼まれやすくなります。とはいえ「フードライター」も山のようにいるので、もっと絞り込んで「町中華ライター」「レトロ喫茶ライター」などであればもっと良いでしょう。そして、得意な分野を複数持つようにして、芸域を広げていくことです。ちなみに著者の藤木先生は「副業評論家」を名乗っているそうです。
どうやって仕事を得るかですが、ネット上にはライター募集の案件がたくさんあるので、そういうものに応募するのが一般的です。いろいろなメディアのホームページの問い合わせフォームに自分のポートフォリオ(実績やスキルをアピールするための自己紹介文書)を送ったりして仕事を得た人もいます。
仕事を依頼され、実際に文章を書く際には、自分なりのテンプレートを用意して、それに合わせて記事を書くのも悪くない方法です。本書で紹介されているのは、次のようなテンプレです。
【1】近ごろ、こんなことがあるようです。
【2】調べてみると、こんなことがわかりました。
【3】やはり、これは本当のようです。
【4】ただし、こういう意見もあります。
【5】ちょっとしたオチや、意見。
ある分野についての専門性を高めつつ、テーマについて、上記のような書き方で記事をまとめていくのもよいでしょう。
読者にとって楽しい息抜きになったり、「勉強になった。自分もやってみよう」と思えたりする記事が書ければ、ライターとしての実力がついたということになります。